問い

「問い」には大きく分けて二つの種類がある,と私は考えています。クローズドな問いとオープンな問いです。

クローズドな問い、というのは問いと答えが一対一になっている、つまり正解がひとつしかない、という問いです。

クイズ番組の問いと言うのはたいていはこの種のクローズドな問いだと考えられます。
日本の大学入試、特に受験生の多い私立大学の入試で、選択式で答えをチョイスするものなどもクローズドな問いだということができます。

これに対してオープンな問いと言うのはたとえば「あなたは何のために働くのですか、」などと言う問いです。こうした問いにはこれしか正しい答えがない、というわけでは必ずしもないことは誰でも少し考えればすぐにわかります。

私の姪が日本の大学を出た後、ニュージーランドで教員養成大学を経て教師をやっていたのですが、教員養成課程でいつも言われたのが「子供たちにはクローズドな質問ではなくオープンな質問をするように」、と言うフレーズだそうです。

クローズドな問いには記憶さえしていれば答えられるのに対して、オープンな問いにはしっかりと考えることなしには答えられません。

いうまでもなく、考える力を養成しようという教育に適しているのはオープンな問いなのです。

先程の大学入試を例に取るまでもなく、日本の教育には記憶さえしていれば答えられるクローズドな問いが非常に多いように思います。

そういう意味では、クイズに答える能力の高い人は頭の良い人だ、と思う人がいますが、こういう人は記憶力の良い人ではあっても考える力のある人とは言えない、というのが正しいのではないか、と思います。クイズに強い人を頭が良い人というべきかどうかは、何を持って頭が良いというのか、の問題です。

記憶力の良いことも大切なことではありますが、やはり、今の世の中で一番必要とされている能力と言うのは広く深い視野です。その視野を手に入れるためには考え抜く力が不可欠であることを思えば、やはり、考え抜く力こそが頭の良さの源だ、といっても良いかと思うのです。